今、世の中に出回っている雑誌やビジネス書は数多くあります。主婦や学生、サラリーマンが書いた体験談や成功経験をもとにした本や、インターネットで話題になったブログが本になるケース、さらには事件や事故に巻き込まれた人が体験談を出版するケースも起きています。通常これらの冊子印刷には、ハードカバーを表紙に使用した無線とじ製本で作成されています。無線とじ製本とは、背表紙をのり付けする製本方法の一種で、一般的に最も利用される製本方法です。冊子印刷の製本方法には、大きく2種類あります。ひとつが上記に挙げた無線とじ製本で、ビジネス書や文庫本、マンガのコミックなどに使われている製本方法です。そしてもう一つが、中とじ製本という製本方法です。無線とじ製本がのり付けなのに対して、中とじ製本は、背表紙部分を針金でとめる製本方法です。

この中とじ製本は、女性週刊誌や青年コミック雑誌などに使用されています。製本方法の違いは、実は、冊子印刷の特徴によって決まります。その特徴とは、中身のページ数や保存期間、冊子の用途、あとはコストなどがあげられます。例えば、一般的に使われる無線とじ製本の場合、長期間の保存や使用に向いているため、長く利用されるビジネス書や辞書といった冊子に使われています。また、図書館などで長期間保存され、ページ数が1000Pを超えるなど、分厚くなることの多い学術論文などは、本の背表紙付近に釘を打ち、糸でとじる糸かがり製本という製本方法もあります。しかし、無線とじ製本には、次のような欠点があります。ひとつは、のり付けのため、そののりが乾くまでに時間を要すること、もうひとつは製本コストがかかることです。それを補うのが、中とじ製本です。中とじ製本は、針金を使用するため、のりが乾くよりも短い時間で仕上げることができます。また、製本コストも安く済みます。しかし、欠点として中とじ製本の場合、製本できる枚数が限られるため、ページ数が多い冊子印刷には向きません。また、長期間の保存にも適していません。そのため、それぞれのメリットとデメリットを知った上で、冊子印刷の用途や条件に合わせて、製本方法を選ぶ必要があるのです。

同じ週刊誌でも、製本方法が異なるのは、ページ数が多い週刊誌は無線とじ製本を利用し、ページ数の少ない雑誌は、コストの削減と作成納期の短縮のために中とじ製本を利用して、それぞれの特徴に合わせた製本方法を利用しているからなのです。